ビジネスコラム

デザイン、サプライ、設計に関する様々な話題をご提供します。

弊社のビジネスに留まらず、美しいもの、興味を惹かれたものを森下工房(株)社長が撮影し た写真と共にお届けします。

お客様のビジネスや新しいアイデアにお役立てください。

帝国ホテル旧本館(ライト館)

博物館明治村 愛知県犬山市字内山1

MAP(Googlemapを開きます)

帝国ホテル旧ライト館の正面の姿です 帝国ホテル旧ライト館ロビーの様子です

この建物について

この建物について
名称 帝国ホテル旧本館(通称:ライト館)
データ 建築:1923年(東京)
設計者

フランク・ロイド・ライト

遠藤新

見所 フランク・ロイド・ライトが設計した帝国ホテル旧本館は大正時代の名建築です。当時最高の技術、日本各地の選ばれた素材を用いたゆえに当初予定の6倍の工費がかかったという豪華な建物を内部まで見学できます。
ひとこと

この写真について
お話しします。

デザインに関わる方、建築に関わる方にぜひ見て頂きたい建物があります。

それが帝国ホテル旧本館、通称ライト館です。

青空を背にした鷲が左右に大きく翼を広げた姿が正面の池に映ります。池と深い軒、繰り返される垂直の柱と水平の意匠は平等院鳳凰堂をモチーフにしています。

そういう意識で眺めていると、そこかしこで日本の伝統美とは異質な印象を受けるとおもいます。

その通り、この勇壮なレンガ造りはマヤ文明のプウク式と呼ばれる様式が取り入れられているのです。

地球の裏側、マヤ文明で使われた入り組んだモザイク装飾状の装飾が屋根や池を飾っています。

この豪華な建物は日本の様式を模倣するだけで無く、気候も風土も遠く離れた文化と組み合わせて生み出されたのです。同時にライトの完璧主義を受けた驚異的な耐震・耐火性能を見せて関東大震災をほぼ無傷で乗り越えました。

室内においてはマヤの意匠を取り入れたモザイク状の柱が間接照明となって外光をとりいれ、内部を見上げる人々に「陰影礼賛」という言葉を思い出させます。

しかし、この素晴らしい建物は客室の少なさや老朽化のために敢えなく立て替えとなり、現在は愛知県の明治村に小さく姿を変えて保存されています。